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ゲーム理論 〔語彙分解〕game theory : [game][theory] ・game : 猟の獲物, 遊び, 試合, 競争, 《口語》仕事, 職業, 競技, ゲーム, 獲物, 策略, 勝負事をする ・theory : 理論, 理屈, 学説, 意見, 仮定, 持論, 説, 持ち論, 見解, 論
ゲーム理論(ゲームりろん、)は戦略的意思決定に関する理論であり、より一般的には「合理的な意思決定者間の紛争と協力の数理モデル」を研究する応用数学の一分野である〔ロジャー・マイヤーソン ''Game Theory: Analysis of Conflict'' Harvard University Press, p. 1 . Chapter-preview links, pp. vii–xi .〕〔ロバート・オーマン ''The New Palgrave Dictionary of Economics'', 2nd Edition. Abstract. 〕。 == 概要 == ゲーム理論の始まりはエルンスト・ツェルメロによる集合論によるボードゲームのチェスの分析に始まる。さらに、エミール・ボレルもフォン・ノイマンに先駆けてゼロ和2人ゲームを研究していた。ゲーム理論の発展に最初の飛躍をもたらしたフォン・ノイマンはゲーム理論の枠組みを以下のように体系化し、さらにそれらについてWell-definedな数学的意味づけを与えた。 * ゲームを支配するルール * ゲームにおける目的達成に向けた行動(戦略)の意思決定を行う主体(プレイヤー) * プレイヤーの選択可能な行動(戦略) * プレイヤーの意思決定を左右する情報 以下は上記の体系化されたゲーム理論の数学的意味づけである(各要素は前述の4つの定義に対応している)。ゲーム理論で扱われる対象は現在でも以下意味付けがWell-definedであることを前提としていることが多い。 * プレイヤーおよびゲーム全体の制約条件 * プレイヤーの集合 * 各プレイヤーのとりうる行動の集合 * 各プレイヤーの行動の関数となる利得集合 例えば、チェスのようなゲームならば、対局する2名のプレイヤーがおり、各プレイヤーは盤上の駒がとることのできる全ての動きを計算可能で、かつ双方とも盤上の駒の配置情報を全て知ることが可能な環境にあり、偶発的な事象は起こりえない。以上がルールとして特徴付けられることになる。 ゲーム理論の分析は、基本的にこのような戦略的な状況における未来の行動を予測したり、過去の行動を客観的に評価することを目的としている。つまりゲーム理論とは、あるルールのもとで各プレイヤーがとると考えられる最適な行動の組合せの解を求めることである。 ゲーム理論の分析では、各プレイヤーの行動が相互の利害に影響することを考慮しなければならない。つまり、プレイヤーAはある行動を選択する前に、自分の利益を最大にするためには相手のプレイヤーBが敵対的な行動に出ることを考慮しなければならない。 ゲーム理論にはいくつかの主要な分類があり、以下はその一例である。 * プレイヤー間の関係を表現する用語として各プレイヤーが相談することなく自己決定のみによって行動する非協力ゲーム(non-cooperative game)と互いに相談を通じて行動を規制しあう協力ゲーム(cooperative game) * プレイヤーが行動を一回だけ選択して終了する一段階ゲーム(one-stage game)と複数の段階にわたって選択がなされる多段階ゲーム(multi-stage game) * ゲームにおいて全ての一連の行動を戦略と呼ぶが、プレイヤーが採る戦略の数が有限である有限ゲームと戦略が有限とは言い切れない無限ゲーム * 情報を参照することが可能である完全情報ゲーム、情報を参照することが可能とは言い切れない不完全情報ゲーム ゲーム理論はこのような表現方法でプレイヤー間の情報構造や意思決定、利害関係、協力関係を数学的に表現することを可能としている。また、伝統的なボードゲームや近年のボードゲーム、コンピュータゲーム等のいわゆる「ゲーム」を分類・研究するツールとしても有用であり、たとえば「チェスなど伝統的なボードゲームの多くが二人零和有限確定完全情報ゲームである」といったように使われる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ゲーム理論」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Game theory 」があります。 スポンサード リンク
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